庄川挽物木地は、木という素材の持ち味を十分に生かすため、原木を仕入れて乾燥させ、白木地に仕上げるまでに約1年。ものによってはそれ以上の歳月を要します。
1)板づみ
庄川挽物木地では、主にケヤキ・トチの広葉樹材を多く使用しています。
原木を板状に製材し、屋外で半年から1年ほど自然乾燥します。
2)木取り
乾燥した板に寸法別に円を描き、丸のこ機で切り落とします。この木取りの時に仕上がりの木目が決まります。
また、材料を無駄なく使うように、大小の円を巧みに織り交ぜます。
3)乾燥
屋外で水分含有率15%まで乾燥した材料を一度ロクロに付けて荒挽きし、火力乾燥室に入れてさらに水分含有率8%まで乾燥させます。
乾燥が不十分な場合、仕上がった時に木工製品に曲がりが生じたりします。
4)仕上げ挽き
乾燥室から取り出した材料を今度は常温で乾燥戻しを行い、自家製のノミで仕上げます。
5)拭き漆塗り
仕上がった白木地に、生漆を数回塗り重ねていきます。
庄川挽物木地は、木目をはっきり浮き出るように漆を塗る「木地見せ」が特徴です。